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ILLIT

【完全網羅】ILLITの歴代アルバムを徹底解説!デビュー作から最新までの軌跡

サラ・チェ (Sara Choi)
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HYBEが送り出す第5世代の超大型新人、ILLIT(アイリット)。デビューするやいなや、またたく間に世界の音楽シーンを席巻しました。私が彼女たちに注目するのは、その音楽性の高さだけでなく、緻密に計算されたアルバム戦略にあります。

この記事では、ILLITがリリースした歴代のアルバムを、デビュー作から最新作まで徹底的に解説します。アルバムごとのコンセプト、収録曲の魅力、そして彼女たちがどのようにしてファンを魅了し続けているのか、その軌跡を一緒にたどっていきましょう。

ILLITとは?|第5世代を牽引するHYBEの秘密兵器

ILLITは、単なる新人ガールズグループではありません。次世代のK-POPシーンを担う存在として、デビュー前から大きな期待を寄せられていました。

『R U Next?』から誕生した5人の精鋭たち

ILLITは、2023年に放送されたサバイバル番組『R U Next?』を経て結成された5人組のガールズグループです。メンバーはYUNAH(ユナ)、MINJU(ミンジュ)、MOKA(モカ)、WONHEE(ウォンヒ)、IROHA(イロハ)で構成されています。

特筆すべきは、メンバーのうちMOKAとIROHAが日本人である点です。この多国籍な構成は、当初からグローバルな市場、特に日本での活動を強く意識した戦略と言えます。HYBE LABELS傘下のBelift Labから、ENHYPENに続くアーティストとしてデビューした彼女たちは、まさにエリート集団です。

「何にでもなれる」グループ名の由来とコンセプト

グループ名である「ILLIT」は、自主的で積極的な意志を表す「I will」と、特別な何かを意味する代名詞「It」を組み合わせた造語です。「何にでもなれる潜在能力を秘めたグループ」という、彼女たちのアイデンティティそのものを表しています。

この名前を体現するのが、「スーパーリアルな10代の感性」という公式コンセプトです。複雑で難解な世界観を掲げるグループが多い中で、ILLITはあえて「ありのまま」や「共感」を軸に置いています。私が思うに、この親しみやすさこそが、多くのファン、特に同世代の心をつかんで離さない理由です。

デビューミニアルバム『SUPER REAL ME』|鮮烈なデビューと記録更新

2024年3月25日、ILLITは記念すべきデビューミニアルバム『SUPER REAL ME』をリリースし、K-POPの歴史にその名を刻みました。

アルバムの基本情報とコンセプト

このアルバムは、「REAL ME Ver.」と「SUPER ME Ver.」という2つのバージョンで展開されました。「REAL ME Ver.」では、メンバーたちの自然体で親しみやすい姿が描かれています。一方で、「SUPER ME Ver.」は、日常に潜む非日常や魔法のような瞬間を表現した、幻想的なコンセプトです。

この「現実の私」と「特別な私」という二面性は、10代の少女が持つリアルな感覚を見事に捉えており、ILLITのコンセプトの根幹をなすテーマです。

収録曲とタイトル曲「Magnetic」の魅力

アルバムには全4曲が収録されており、タイトル曲「Magnetic」はパン・シヒョク議長がプロデュースに参加したことでも話題になりました。

トラック曲名特徴
1My WorldILLITの世界観へ誘うイントロ曲
2Magnetic好きな相手に磁石のように惹かれる心を歌ったタイトル曲
3Midnight Fiction少女たちの豊かな想像力を描いた楽曲
4Lucky Girl Syndrome10代らしいポジティブなエネルギーに満ちた楽曲

タイトル曲「Magnetic」は、軽快で夢見心地な「プラグインビー(Pluggnb)」というジャンルのサウンドが特徴です。一度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディーと、「スーパー惹きつけちゃう」という中毒性の高い歌詞で、世界中のファンを虜にしました。

商業的成功とチャート実績

『SUPER REAL ME』は、商業的にも驚異的な成功を収めます。発売初週の売上は38万枚を突破し、当時のK-POPガールズグループのデビューアルバム初週売上記録を更新しました。

この成功は韓国内にとどまりません。米ビルボードのメインアルバムチャート「Billboard 200」で93位にランクインしたほか、タイトル曲「Magnetic」はメインシングルチャート「Hot 100」で91位を記録。デビュー曲でビルボードのシングルチャートに入った初のK-POPグループという快挙を成し遂げました。

2ndミニアルバム『I’LL LIKE YOU』|物語の深化と新たな挑戦

デビュー作の大成功から約7ヶ月後の2024年10月21日、ILLITは2枚目のミニアルバム『I’LL LIKE YOU』をリリースしました。

アルバムの基本情報と進化したコンセプト

このアルバムは、「親しくなりたい『君』に出会い、自分だけの答えを見つけて進んでいく少女の物語」がテーマです。デビュー作のコンセプトをさらに発展させ、3つの異なるバージョンで物語を表現しています。

  • WITH Ver.|メンバー同士の友情や自然なケミストリーを表現。
  • TO Ver.|愛らしく幻想的なムードを強調した、夢見心地なビジュアル。
  • BETWEEN Ver.|シックでダークな、プリンセスのようなミステリアスな魅力。

デビュー作の「リアルな10代」から一歩踏み出し、より物語性の強いファンタジーの領域へとコンセプトを拡張させたのがこの作品です。

収録曲とタイトル曲「Cherish (My Love)」

アルバムには、タイトル曲「Cherish (My Love)」を含む全5曲が収録されています。

トラック曲名
1I’ll Like You
2Cherish (My Love)
3IYKYK (If You Know You Know)
4Pimple
5Tick-Tack

タイトル曲「Cherish (My Love)」は、相手の気持ちに関わらず、自分の「好き」という気持ちそのものを大切にするという、力強く堂々としたメッセージが込められています。私が特にユニークだと感じたのは「Pimple」(ニキビ)という曲で、10代の悩みをロマンチックに描く斬新な試みが光ります。

多様なアルバム形態と商業的成功

『I’LL LIKE YOU』では、フィジカルアルバムの戦略がさらに進化しました。通常盤3種とWeverse盤に加え、新たに「GLLIT盤」が登場しました。

これはデジタルカメラを模したユニークなパッケージが特徴の小型版で、コレクターアイテムとしての価値を高め、ファンの収集意欲を刺激しました。この戦略が功を奏し、アルバムは韓国国内で60万枚以上を売り上げ、2作連続でプラチナ認定を受ける大ヒットを記録しました。

3rdミニアルバム『bomb』|確立されたブランドと革新

2025年6月16日、ILLITは3枚目のミニアルバム『bomb』をリリースし、その人気を不動のものとしました。

アルバムの基本情報と対照的なコンセプト

『bomb』では、「現実 vs 超現実」というテーマをさらに掘り下げ、対照的な2つのコンセプトを打ち出しました。

一つは、ファン(GLLIT)のために用意された「GLLIT盤」で見せる、シックでスタイリッシュな「トムボーイ」スタイル。もう一つは、通常盤3種(MAGIC BOMB, PINK BOMB, STAR BOMB)で展開される、幻想的な「魔法少女」コンセプトです。この大胆な二面性の提示は、ILLITの表現の幅広さを見事に証明しました。

収録曲と音楽性の広がり

アルバムにはタイトル曲「Billyeoon Goyangi (Do the Dance)」を含む全5曲が収録されています。

トラック曲名
1Little Monster
2Billyeoon Goyangi (Do the Dance)
3Jellyous
4Oops!
5bamsopoong (night picnic)

Red VelvetやTWICEのヒット曲で知られるプロデューサーが参加するなど、音楽のクオリティに対する揺るぎないこだわりが感じられます。ファンイベントで収録曲を先行公開するなど、カムバックへの期待感を高めるプロモーション戦略も巧みでした。

革新的なアルバムパッケージ戦略

このアルバムで私が最も驚いたのは、フィジカルアルバムの革新的な戦略です。「GLLIT盤」はこれまでのコンセプト別ではなく、メンバー別の5バージョンでリリースされました。これは、熱心なファンに全種コンプリートを促す強力な一手です。

さらに画期的だったのが「Merch Ver.」の導入です。このバージョンには、実際に使用できる有線イヤホンが封入されています。これは単なるCDではなく、「音楽を聴く体験」そのものを商品にするという、アルバムの定義を再構築するような挑戦です。

日本市場での活躍|計算されたローカライズ戦略

ILLITの成功を語る上で、日本市場での戦略的な活動は欠かせません。デビュー当初から、日本は彼女たちにとって最重要市場の一つでした。

日本オリジナル楽曲「Almond Chocolate」の成功

2025年2月14日、ILLITは初の日本オリジナル楽曲「Almond Chocolate」をデジタルリリースしました。この楽曲は、まさに日本市場攻略のための傑作です。

プロデュースにはBTSの楽曲を手がけるPdogg氏に加え、日本の人気バンドSEKAI NO OWARIのNakajin氏を起用。日本の音楽ファンに馴染み深いシティポップの要素を取り入れ、さらに日本の映画主題歌に起用されるという戦略的なタイアップも実現させました。結果、楽曲は日本の主要な音楽チャートで軒並み上位を獲得し、大きな成功を収めました。

日本独自の販売戦略とファンイベント

ILLITは、日本のCD市場の特徴である「店舗別購入特典」文化を巧みに活用しています。タワーレコード、HMV、UNIVERSAL MUSIC STOREなど、販売店ごとに異なるデザインのフォトカードなどの特典を用意することで、ファンが同じアルバムを複数枚購入することを促進しています。

それに加え、全国のCDショップでの大型パネル展や、メンバーと直接会えるサイン会といったオフラインイベントを精力的に開催しています。こうした地道な活動が、日本における熱心なファンベースの構築につながっているのです。

まとめ

ILLITの歴代アルバムを振り返ると、彼女たちの成功が決して偶然ではないことが分かります。

  • 共感を呼ぶ親しみやすいコンセプト
  • HYBEの強力なサポートを受けた高品質な音楽
  • ファンの心理を巧みについた革新的なアルバム販売戦略
  • 日本市場に特化した緻密なローカライズ

これらすべての要素が完璧に組み合わさることで、ILLITはデビューからわずかな期間で世界のトップグループへと駆け上がりました。彼女たちが今後どのような音楽とコンセプトで私たちを驚かせてくれるのか、その活躍から目が離せません。ILLITが切り拓く第5世代K-POPの未来は、きっと明るいものになるでしょう。

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