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BLACKPINK

『BLACKPINK』日本嫌い説は誤解だった!成功したグローバル戦略の本当の狙い

サラ・チェ (Sara Choi)
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世界中のチャートを席巻し、ファッションアイコンとしても絶大な影響力を持つBLACKPINK。しかし、その圧倒的な人気の一方で、日本では「彼女たちは日本での活動に消極的なのでは?」「もしかして日本が嫌い…?」といった声が、インターネット上で囁かれることがあります。頻繁なテレビ出演やファンサービスよりも、数年に一度のドームツアーが中心の活動スタイルが、そうした憶測を呼ぶのかもしれません。

しかし、結論から言えば、その認識は完全な誤解です。

彼女たちの日本での活動の「距離感」は、嫌悪や無関心から来るものでは決してありません。むしろ、それは世界を舞台に活躍するために緻密に計算された、極めて現代的なグローバル戦略の表れなのです。本記事では、なぜ「日本嫌い」という誤解が生まれたのかを3つの視点から解き明かし、データと事実に基づき、彼女たちの戦略の本当の狙いに迫ります。

なぜ「日本嫌い」と囁かれるのか?その背景にある3つの誤解

BLACKPINKの活動スタイルが、一部で「日本での活動に消極的」と見えてしまうのには、明確な理由があります。私が分析するに、その原因は彼女たちの感情ではなく、極めて戦略的な3つの要因に集約されます。

理由1|「憧れ」を生むガールクラッシュという孤高のイメージ

BLACKPINKの核となるコンセプトは「ガールクラッシュ」です。これは「女性が憧れるカッコいい女性」というイメージを徹底する戦略で、親しみやすさよりも、手の届かない存在としてのカリスマ性を重視します。

楽曲の歌詞にも、「あなたとは違う」という優位性を示す表現が意図的に使われており、これが力強さと自信の源泉になっています。この意図的に作られた「距離感」と孤高のイメージが、ファンとの近さを重視する日本のアイドル文化の中では、「冷たい」あるいは「無関心」と誤解されてしまう側面があるのです。

理由2|インパクト重視の「イベント型」活動スタイル

彼女たちの日本での活動は、頻繁なメディア露出を重ねるのではなく、数年に一度のドームツアーのような大規模イベントに集中する「イベント型」です。一度の来日で最大の話題性と商業的効果を生み出し、「グローバルスーパースター」としてのブランド価値を高める狙いがあります。

この戦略は非常に効果的ですが、必然的に活動と活動の間に長い「空白期間」が生まれます。この空白が、一部のファンにとっては「日本への関心が薄いのではないか」という印象を与え、誤解の土壌となっているのです。

理由3|TWICEの「現地化」戦略との鮮やかな対比

同時代に日本で絶大な人気を誇るTWICEとの比較も、誤解を生む一因です。TWICEは日本のテレビ番組へ頻繁に出演し、日本語オリジナル楽曲を多数リリースするなど、徹底した「ローカライズ(現地化)」戦略で日本のファンとの親密な関係を築いてきました。

対照的に、グローバルで一貫したイメージを保つBLACKPINKのスタイルは異質に映ります。この「違い」が、優劣や関心の有無として捉えられ、「TWICEほど日本を重視していない」という短絡的な解釈につながってしまうのです。

データが語る真実|BLACKPINKの揺るぎない日本での活動実績

「日本嫌い」という憶測とは裏腹に、BLACKPINKが日本市場に残してきた足跡は、極めて大規模でインパクトのあるものばかりです。データと事実は、彼女たちが日本を戦略的に重要な市場と位置づけていることを雄弁に物語っています。

異例の武道館デビューと主要イベントへの連続出演

BLACKPINKの日本デビューは、衝撃的でした。2017年、海外の新人アーティストとしては異例の日本武道館でデビューショーケースを開催し、1万4000人を動員。これは、所属事務所がいかに日本市場を重視し、大きな投資をしていたかの証です。

デビュー直後には、国内最大級の夏フェス「a-nation」や、若者文化の象徴である「東京ガールズコレクション」「神戸コレクション」にも出演。音楽ファンだけでなく、ファッションに敏感な層にも的確にアプローチしました。結果として、日本デビューミニアルバムはオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得し、華々しいスタートを切ったのです。

3大ドームを制覇した圧倒的なツアー実績

彼女たちの日本へのコミットメントは、継続的な大規模ツアーによって証明されています。2018年には初のアリーナツアーと京セラドーム大阪公演を成功させ、2019年から2020年にかけては東京ドーム、京セラドーム大阪、福岡PayPayドームの3大ドームツアーを完遂しました。

コロナ禍を経た2023年の「BORN PINK」ワールドツアーでは、東京と大阪のドーム4公演だけで21万人を動員するという驚異的な記録を樹立。不在期間があったにもかかわらず、ファンベースが拡大し続けていることを見せつけました。この実績は、日本が彼女たちのグローバルツアーにおいて、不可欠な拠点であることを示しています。

MCやインタビューで語られるメンバーの日本への想い

公式な活動だけでなく、メンバー個人の言葉からも日本への好意が伝わってきます。コンサートのMCでは、メンバーが積極的に日本語でコミュニケーションを取ろうとする姿が見られます。ジェニーが「ドキドキします」と語ったり、リサの流暢な日本語にジスが冗談を飛ばしたりと、そのやり取りはとても微笑ましいです。

私が特に印象的だと感じたのは、ジスが「人生で一番良かった旅行先は日本」と明言していることです。リサが日本の俳優・坂口健太郎さんのファンであることも有名です。これらはビジネス上の発言ではなく、彼女たちの素直な感情の表れであり、日本に対して否定的な感情を持っていないことの何よりの証拠と言えるでしょう。

「憧れ」を創るグローバル戦略|TWICEとの比較でわかる本当の狙い

BLACKPINKの戦略を深く理解するためには、単体で見るのではなく、他の成功例と比較することが有効です。特に、TWICEの戦略と比べることで、BLACKPINKの本当の狙いが鮮明に浮かび上がってきます。

ブランドの一貫性を守る「グローバルスタンダード」

BLACKPINKの戦略の核心は「グローバルな一貫性」です。彼女たちは、特定の国のためにスタイルを変えることはしません。コンサートで日本語バージョンではなく韓国語の原曲を中心に披露するのも、その表れです。

これは「日本向けに最適化されたBLACKPINK」ではなく、「世界基準のBLACKPINKの体験を、そのまま日本で提供する」という価値観に基づいています。どの国のファンも、同じクオリティの「本物」を体験できる。この一貫性こそが、グローバルブランドとしてのBLACKPINKの強さなのです。

ローカライズ戦略のTWICEとの明確な違い

ここで、TWICEとの戦略の違いを整理してみましょう。両者のアプローチは対照的ですが、どちらも日本市場で大成功を収めています。これは、日本の音楽市場が多様な価値観を受け入れる、成熟したマーケットである証拠です。

活動種別BLACKPINKのアプローチTWICEのアプローチ
楽曲リリースグローバルアルバムが中心。韓国語の原曲を重視。日本オリジナル曲を多数リリース。広範な日本語カタログを保有。
テレビ出演稀であり、大規模ツアーのプロモーションが中心。『ミュージックステーション』など主要番組に頻繁に出演。
ファンとの関係憧れの対象としての「距離感」を演出し、カリスマ性を維持。ファンミーティングなどを通じて、親しみやすく親密な関係を構築。

この表からわかるように、BLACKPINKの戦略は日本市場への無関心ではなく、明確なターゲティング戦略です。「会いに行ける親近感」を求めるファン層がいる一方で、「手の届かない本物のスーパースター」を求めるファン層も確かに存在するのです。BLACKPINKは、後者のニーズに完璧に応えています。

まとめ

本記事を通じて、BLACKPINKの「日本嫌い説」が事実無根の誤解であることを解説してきました。その背景には、彼女たちの緻密に計算されたグローバル戦略があります。

意図的に「憧れの距離」を創り出すガールクラッシュというコンセプト。インパクトを最大化する「イベント型」の活動。そして、ブランドの一貫性を何よりも重視するグローバルスタンダードな姿勢。これらが組み合わさることで、一部では「日本に興味がない」と見えてしまうことがあったのです。

しかし、その活動実績とメンバー自身の言葉は、彼女たちが日本市場とファンに真摯に向き合っていることを示しています。彼女たちの成功は、K-POPのグローバル化が生んだ新しい時代のスターの在り方そのものです。旧来のアイドルの物差しで測るのではなく、その先進的な戦略を理解することで、BLACKPINKというアーティストの本当の魅力が見えてくるはずです。

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