『BOYNEXTDOOR』の歴代アルバムを時系列で一挙紹介!発売日、収録曲、コンセプトの変遷
ZICOがプロデュースする初のボーイズグループとして、2023年に彗星の如く現れたBOYNEXTDOOR。私が彼らの音楽に初めて触れたとき、その親しみやすさと物語性の高いコンセプトに強く引き込まれました。「隣の少年」という名前の通り、彼らの楽曲は私たちの日常に寄り添い、共感を呼び起こします。
この記事では、BOYNEXTDOORがこれまでリリースしてきたアルバムを時系列に沿って徹底解説します。デビューから続く「初恋三部作」の物語、そして新たなステージへと進む彼らの音楽的変遷を、収録曲やコンセプトと共に詳しく見ていきましょう。
BOYNEXTDOORの始まり|初恋三部作の物語
BOYNEXTDOORのキャリアは、一つの壮大な恋物語を描く「初恋三部作」から始まりました。デビュー作『WHO!』、続く『WHY..』、そして『HOW?』を通じて、恋の始まりから終わり、そしてその間の出来事を描くという手法は、彼らの音楽に深い奥行きを与えています。
1st Single Album『WHO!』|恋の始まりとトリプルタイトル曲
2023年5月30日にリリースされたデビューシングルアルバム『WHO!』は、恋に落ちた瞬間の純粋なときめきと情熱を表現した作品です。K-POPのデビュー作としては異例のトリプルタイトル曲という戦略で、恋の始まりから告白までを多角的に描きました。この戦略が見事に功を奏し、彼らは鮮烈なデビューを飾ります。
収録曲は以下の通りです。
- But I Like You (돌아버리겠다)|恋心を自覚した時の混乱した感情をエネルギッシュに歌い上げます。
- One and Only|自信を持って自分をアピールする段階を、ドアを使ったユニークなパフォーマンスで表現しました。
- Serenade|不器用ながらもストレートな告白を描く、物語の感動的なクライマックスです。
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2023年5月30日 |
形態 | 1st Single Album |
タイトル曲 | But I Like You, One and Only, Serenade |
1st EP『WHY..』|初恋の終わりと心の葛藤
2023年9月4日にリリースされた1st EP『WHY..』は、『WHO!』で描かれた初恋の、その後の物語です。コンセプトは一転し、別れがもたらす悲しみや戸惑いといった、ほろ苦い感情に焦点を当てています。私が特に巧みだと感じたのは、前作の3曲を「楽しかった記憶」として再収録し、続く新曲で「別れの現実」を描写する構成です。
本作で追加された新曲は以下の3曲です。
- Crying|別れの直後のストレートな悲しみを歌った情緒的な楽曲です。
- But Sometimes (뭣 같아)|本作のタイトル曲。別れへの怒りや苛立ちを表現した、力強い一曲です。
- ABCDLOVE|別れを受け入れ、次へ進もうとする未来への兆しを感じさせます。
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2023年9月4日 |
形態 | 1st EP |
タイトル曲 | But Sometimes (뭣 같아) |
このEPからアルバムのバージョンが多様化し、コレクター心をくすぐる戦略が始まりました。
バージョン | 主な仕様 |
DAZED ver. / MOODY ver. | フォトブック中心の一般的な形態 |
LETTER ver. | メンバー別の封筒パッケージ |
Weverse Albums ver. | デジタルコンテンツを楽しむQRカード形式 |
2nd EP『HOW?』|物語の空白を埋める非直線的ストーリー
2024年4月15日にリリースされた2nd EP『HOW?』で、初恋三部作は完結します。このアルバムがユニークなのは、時系列を遡り、『WHO!』の出会いと『WHY..』の別れの間に起きた出来事を描いている点です。恋愛関係の中で起こる予測不可能な瞬間をテーマに、物語にさらなる深みを与えました。
タイトル曲の「Earth, Wind & Fire」は、目まぐるしく変化する曲構成と超高速ラップが特徴的なハイパーポップジャンルの楽曲です。この実験的なサウンドが、予測不能な愛というコンセプトを完璧に表現しています。
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2024年4月15日 |
形態 | 2nd EP |
タイトル曲 | Earth, Wind & Fire |
アルバムバージョンはさらに多様化し、ファンの様々なニーズに応えるラインナップとなりました。
バージョン | 主な仕様 |
Earth / Wind / Fire ver. | 3種のコンセプトフォトブック |
Sticker ver. | メンバー別のステッカーブック形式 |
Weverse Albums ver. | デジタルアルバム形式 |
KiT Ver. | 専用デバイスで音楽を楽しむガジェット形式 |
初恋のその先へ|新たな魅力を開花させる新章
初恋三部作を完結させたBOYNEXTDOORは、より個人的で成熟したテーマへと歩みを進めます。少年から大人へと成長していく彼ら自身の姿を投影した、新たな音楽の世界観を確立しました。
3rd EP『19.99』|少年から大人への過渡期
2024年9月9日リリースの3rd EP『19.99』は、そのタイトルが示す通り、10代と20代の狭間にいる「19歳」特有の感情を描いた作品です。「根拠のある自信」と漠然とした不安が入り混じる、若者のリアルな姿をテーマにしています。
タイトル曲「Nice Guy」は、「いい人」というイメージを覆すような、自信と少しの生意気さが魅力的な楽曲です。アルバム全体を通して、メンバー自身の経験から生まれたリアルな歌詞が共感を呼びます。
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2024年9月9日 |
形態 | 3rd EP |
タイトル曲 | Nice Guy |
アルバムバージョンはコンセプトに合わせて新たな仕様で展開されました。
バージョン | 主な仕様 |
Nice / Dangerous / Twenty ver. | 楽曲のテーマを反映した3種のコンセプト |
Clink ver. | キーリングカードが付属するユニークな形態 |
4th EP『No Genre』|ジャンルの枠を超えた音楽的挑戦
2025年5月13日にリリースされた4th EP『No Genre』は、彼らの芸術的な進化を明確に示した意欲作です。特定のジャンルや物語に縛られず、純粋に「音楽の楽しさ」を追求する自由な姿勢が反映されています。
タイトル曲「I Feel Good」は、ファンキーでエネルギッシュなサウンドが特徴で、彼らの自由奔放な魅力を体現しています。このアルバムで彼らは、物語の登場人物から、物語を創造するアーティストとしてのアイデンティティを確立したと言えます。
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2025年5月13日 |
形態 | 4th EP |
タイトル曲 | I Feel Good |
特に「Board Game ver.」は、実際に遊べるボードゲームが付属するという斬新なアイデアで、大きな話題を呼びました。
バージョン | 主な仕様 |
No Matter / No Route / No Limit ver. | 3種のコンセプトフォトブック |
Board Game ver. | メンバー別のボードゲームが付属する形態 |
Weverse Albums ver. | デジタルアルバム形式 |
日本での活躍|『AND,』から広がる物語
BOYNEXTDOORは韓国での成功を足掛かりに、日本市場へも積極的に進出しています。彼らの物語は、国境を越えて広がり続けています。
Japan 1st Single『AND,』|日本デビューと物語の続き
2024年7月10日、待望の日本デビューシングル『AND,』がリリースされました。このタイトルには、これまでの物語に続く「そして、僕たちは今こうして過ごしている」というメッセージが込められています。韓国でのヒット曲の日本語バージョンに加え、日本オリジナル楽曲も収録し、日本のファンに大きな喜びを与えました。
収録曲は以下の通りです。
- One and Only (Japanese Ver.)
- Earth, Wind & Fire (Japanese Ver.)
- But Sometimes (Japanese Ver.)
- GOOD DAY (日本オリジナル曲)
アルバム情報 | 詳細 |
発売日 | 2024年7月10日 |
形態 | Japan 1st Single |
タイトル曲 | One and Only (Japanese Ver.) |
日本市場の特色を反映し、全11形態という多彩なラインナップでリリースされました。
バージョン | 主な仕様 |
初回限定盤A | CD + フォトブック |
初回限定盤B | CD + デジタルコードカード |
通常盤 | CDのみ |
Weverse Shop JAPAN限定盤 | CD + フォトブック、豪華特典 |
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤 | CD + 限定フォトカード |
メンバーソロジャケット盤 | メンバー別のジャケット仕様 (全6種) |
その他の活動|デジタルシングルとOST
BOYNEXTDOORは、アルバムリリース以外にも様々な形で音楽を発表し、活動の幅を広げています。アニメやドラマのサウンドトラック(OST)への参加は、彼らの音楽が様々なメディアで愛されている証拠です。
- Fadeaway (From “GARBAGE TIME”)|アニメOST (2023.11.07)
- Miss Night and Day, Pt. 3|ドラマOST (2024.06.29)
- Never Loved This Way Before (Odd Girl Out X BOYNEXTDOOR)|ウェブトゥーンコラボOST (2025.03.14)
これらの活動は、彼らの多才な音楽性を示し、ファンに新たな楽しみを提供し続けています。
まとめ
BOYNEXTDOORのディスコグラフィを振り返ると、そこには一貫した物語と明確なビジョンが存在します。「初恋三部作」で共感を呼ぶ物語を紡ぎ、「19.99」で等身大の姿を見せ、「No Genre」ではジャンルの壁を越える音楽的挑戦を続ける。彼らの軌跡は、物語の登場人物から、自らの言葉で音楽を創造するアーティストへと進化する過程そのものです。
メンバー自身が作詞作曲に深く関わることで生まれる「オーセンティシティ(真正性)」こそが、彼らの最大の魅力です。これからもBOYNEXTDOORは、親しみやすいメロディと共感を呼ぶストーリーで、私たちを新たな音楽の旅へと連れ出してくれるに違いありません。