KWDA (K-World Dream Awards) 過去の受賞者まとめ
K-POPファンにとって、年末から年初にかけて行われる数々の音楽授賞式は一大イベントです。その中でも、比較的新しいものの、その時々のK-POPシーンの熱気を反映してきたのが「K-World Dream Awards」(以下、KWDA)です。
この記事では、KWDAとその前身である授賞式の歴史を振り返り、歴代の主要な受賞者と、その受賞結果が示すK-POP界のトレンドについて、私が詳しく解説します。

K-World Dream Awardsとは?その歴史と変遷
KWDAは、その歴史の中で何度か名前を変えながら、K-POPシーンの重要な瞬間を記録してきた授賞式です。ここでは、その歩みと評価の仕組みを紐解いていきます。
授賞式の誕生と名称変更の歴史
この授賞式は、元々「Soribada Best K-Music Awards」として2017年にスタートしました。その後、主催者の変更などを経て、現在の「K-World Dream Awards」へと進化を遂げています。
私がこの変遷をまとめたのが以下の表です。
開催年度 | 授賞式名 | 主な主催・運営団体 |
2017-2020 | Soribada Best K-Music Awards (SOBA) | Soribada |
2022-2023 | K-Global Heart Dream Awards | 新たな運営会社 |
2024-現在 | K-World Dream Awards | TV Daily |
2021年は授賞式が開催されませんでしたが、中断を乗り越えて復活したことからも、このアワードがK-POP業界にとって価値ある存在であることが分かります。主催者が音楽プラットフォームからメディア企業へと移ったことで、よりグローバルで多角的な視点を持つ授賞式へと成長しています。
KWDAの受賞者選定の基準
KWDAの受賞者は、いくつかの要素を総合的に評価して決定されます。これは、多角的な視点からアーティストの功績を正当に評価するための仕組みです。
主な選定基準は、楽曲の売上(デジタル配信やCDなどのフィジカルセールス)、ファンによるオンライン投票、そして業界の専門家や審査員団による評価の3つの柱で構成されます。特に近年は、グローバルなファン投票プラットフォームとの連携が強化されており、世界中のファンの声が結果に大きく反映される傾向にあります。
歴代KWDAの主要受賞者一覧
ここでは、前身のSoribada時代から現在に至るまでの各年度の授賞式を振り返り、主要な受賞者をリストアップします。この受賞結果から、K-POPのトレンドの移り変わりが見えてきます。
2017 Soribada Best K-Music Awards
記念すべき第1回となった2017年のSOBAでは、当時のK-POPシーンを代表するアーティストたちが栄冠に輝きました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
大賞 (Daesang) | EXO |
音源大賞 (Digital Daesang) | TWICE |
本賞 (Bonsang) | B.A.P, BTOB, EXO, GFRIEND, ファン・チヨル, MAMAMOO, MONSTA X, Red Velvet, T-ARA, TWICE, VIXX |
新人賞 (Rookie Award) | Wanna One, PENTAGON |
人気賞 (男性) | EXO |
ベストOST賞 | Ailee – 「첫눈처럼 너에게 가겠다 (ドラマ『トッケビ』)」 |
アーティスト賞 | BTS |
2017年の特筆事項|Wanna Oneの躍進とBTSの胎動
この年の授賞式で、私が特に印象的だったのは、EXOとTWICEがそれぞれ大賞と音源大賞という最高の栄誉を手にしたことです。彼らの当時の圧倒的な人気を証明する結果でした。
一方で、BTSはこの年に「アーティスト賞」を受賞しており、翌年以降の大賞席巻を予感させる重要な成果でした。オーディション番組「PRODUCE 101」から誕生し、旋風を巻き起こしたWanna Oneが新人賞とライジングホットスター賞の二冠に輝いたことも、サバイバル番組出身グループの勢いを象徴していました。
2018 Soribada Best K-Music Awards
2018年のSOBAは、BTSが初めてこの授賞式で大賞を受賞し、彼らの世界的ブレイクを印象付けた年となりました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
大賞 (Daesang) | BTS |
音源大賞 (Digital Daesang) | TWICE |
本賞 (Bonsang) | AOA, 赤頬思春期, BTS, MAMAMOO, MOMOLAND, MONSTA X, NCT 127, NU’EST W, Red Velvet, TWICE, Wanna One |
新人賞 (Rookie Award) | THE BOYZ, Stray Kids, NATURE (グループ部門); IZ (バンド部門) |
人気賞 (Popularity Award) | Wanna One (男性), MAMAMOO (女性) |
アーティスト賞 | MONSTA X, Red Velvet |
2018年の特筆事項|BTSの台頭と新人賞の多様化
BTSがこの授賞式で初の大賞を獲得したことは、K-POP史における大きな転換点と言えます。彼らの国内外での人気が爆発的に高まっていることを示す象徴的な出来事でした。TWICEは前年に続き音源大賞を受賞し、デジタル音源での強さを見せつけました。
私が注目したのは、新人賞がグループ部門、バンド部門、トロット部門と細分化された点です。これはK-POP業界の多様性の広がりと、それに対応しようとする授賞式の変化を示すものでした。BTSの頂点への到達は、この後数年にわたる彼らの「大賞時代」の幕開けを告げるものでした。
2019 Soribada Best K-Music Awards
2019年のSOBAでは、大賞カテゴリーが4つに増加し、より多くのトップアーティストがその功績を称えられました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
今年のアーティスト賞 (Artist of the Year – Daesang) | BTS |
今年の音楽賞 (Music of the Year – Daesang) | TWICE |
今年のステージ賞 (Stage of the Year – Daesang) | Red Velvet |
今年のライブパフォーマンス賞 (Live Performance of the Year – Daesang) | MAMAMOO |
本賞 (Bonsang) | AB6IX, BTS, チョンハ, ハ・ソンウン, キム・ジェファン, MAMAMOO, MOMOLAND, MONSTA X, NCT 127, TWICE, Red Velvet, パク・ジフン |
新人賞 (Rookie Award) | ITZY, TOMORROW X TOGETHER (グループ部門) ソン・ガイン, ホンジャ (トロット部門) |
人気賞 (Popularity Award) | BTS (男性), TWICE (女性) |
2019年の特筆事項|トロットブームの影響
この年の最大の特徴は、大賞カテゴリーが4つに増えたことです。BTS、TWICE、Red Velvet、MAMAMOOというトップグループが、それぞれ異なる側面での功績を認められました。これは、より多くの主要ファンダムを巻き込む戦略、あるいは「最高の功績」に対する多角的な視点を反映したものと私は見ています。
韓国で高まっていた「トロットブーム」を反映し、新人賞ではソン・ガインさんをはじめとする多くのトロット歌手が受賞したことも特筆すべき点です。授賞式が業界のトレンドを敏感に捉えている証拠と言えるでしょう。
2020 Soribada Best K-Music Awards
2020年は新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、SOBAは初めてオンライン形式での開催となりました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
大賞 (Daesang) | BTS |
今年のアーティスト賞 | TWICE |
今年の音楽賞 | Red Velvet |
今年のステージ賞 | カン・ダニエル |
本賞 (Bonsang) | AB6IX, ASTRO, BTS, GFRIEND, IZ*ONE, カン・ダニエル, イム・ヨンウン, MAMAMOO, NCT DREAM, OH MY GIRL, Red Velvet, TWICE, VICTON |
新人賞 (New Artist Award) | CRAVITY, MCND, TOO |
人気賞 (Favorite Male/Female Bias Award) | BTS (男性), TWICE (女性) |
ベストOST賞 | Gaho – 「시작 (Start Over) (ドラマ『梨泰院クラス』)」 |
2020年の特筆事項|パンデミック下の開催と多様な賞
世界中が困難な状況にあった中、オンライン開催という形でK-POPの灯をともし続けたことは意義深いと私は思います。BTSはその世界的な影響力を背景に大賞を受賞し、その勢いを持続させました。
トロット界のスーパースターであるイム・ヨンウンさんが本賞を受賞したことは、同ジャンルのメインストリームにおける成功が継続していることを示しています。この年には「ネクストアーティスト賞」「ミュージックアイコン賞」「グローバルホットトレンド賞」など、多岐にわたる小規模な賞が設けられ、オンラインイベントならではの工夫が見られました。
2022 K-Global Heart Dream Awards
2021年の中断を経て、授賞式は「K-Global Heart Dream Awards」としてリニューアルされました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
本賞 (Bonsang) | Heize, ITZY, IVE, カン・ダニエル, NCT DREAM, OH MY GIRL, PSY, THE BOYZ, TOMORROW X TOGETHER |
2022年の特筆事項|リブランディングと賞の構成変化
この年は、前年までのような明確な単一の「大賞」受賞者の記載が資料に見られませんでした。本賞受賞者は提示されていますが、最高賞の構造が変更された可能性があります。
リブランディングに伴い、授賞式の構成にも何らかの試みがあったのかもしれません。私が思うに、これはSoribada時代の問題からの完全な脱却と、新たなブランドイメージの構築を目指した結果ではないでしょうか。
2023 K-Global Heart Dream Awards
2023年も「K-Global Heart Dream Awards」の名称で開催され、K-POP第4世代のアーティストたちの活躍が目立ちました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
本賞 (Bonsang) | ATEEZ, ENHYPEN, ITZY, SEVENTEEN, スルギ (Red Velvet), STAYC, Stray Kids, テヨン (NCT), THE BOYZ, ZEROBASEONE (ZB1) |
2023年の特筆事項|ZEROBASEONEの新人らしからぬ受賞
前年同様、明確な単一の大賞受賞者の記載は見られませんでした。本賞の受賞者リストには、ATEEZ、ENHYPEN、Stray Kids、ZEROBASEONEといった第4世代を代表するグループが名を連ね、彼らのK-POPシーンにおける確固たる地位を反映しています。
特に、新人グループであるZEROBASEONEが本賞を受賞したことは特筆に値します。これは第4世代アーティストが業界の主導権を握りつつあることを示す、と私は分析しています。
2024 K-World Dream Awards
2024年には「K-World Dream Awards」と再び名称を変更し、新たな賞の枠組みと共に開催されました。
主な受賞者とカテゴリー
賞のカテゴリー | 受賞者 |
ベストアーティスト賞 (グループ) | NCT 127, aespa |
ベストアーティスト賞 (ソロ) | BIBI |
本賞 (Bonsang) | KISS OF LIFE, イ・ムジン, BIBI, TOMORROW X TOGETHER, PLAVE, aespa, NCT 127, ITZY, ZEROBASEONE (ZB1), QWER |
ベストソング賞 | ZICO, LE SSERAFIM, IVE, (G)I-DLE, SEVENTEEN |
ベストプロデューサー賞 | シンサドンホレンイ |
ベストバンド賞 | QWER |
ベストミュージックビデオ賞 | aespa, YOUNG POSSE |
スーパールーキー賞 | TWS, NCT WISH |
UPICK 人気賞 (男性グループ) | EXO |
NCT 127, aespa, ZEROBASEONEはそれぞれ3つの賞を受賞し、この授賞式で最多受賞アーティストとなりました。
2024年の特筆事項|バーチャルグループの受賞とファン投票の重視
この年の大きな変化は、従来の「大賞」という呼称に代わり、「ベストアーティスト賞(グループ/ソロ)」が最高賞として位置づけられたことです。バーチャルグループであるPLAVEが「ニュートレンド賞」を受賞したことは、授賞式が業界の進化を敏感に捉えていることを示しており、私が非常に興味深く感じた点です。
UPICKなどのファン投票プラットフォームと連携した複数の人気賞が設けられ、ファンダムの力が明確に反映される形となりました。シニアグループであるEXOが男性グループ部門のUPICK人気賞を受賞したことは、活動の多寡に関わらず、確立されたファンダムの揺るぎない力を示しています。
2025 K-World Dream Awards
直近の2025年は、第4世代アイドルの階層構造が明確になった年として記憶されるでしょう。Stray KidsとIVEがそれぞれ4つの賞を獲得し、この夜の主役となりました。
両グループは最高賞である「K-World Dream Best Artist Award」を受賞し、世代のトップランナーであることを証明しました。私がこの結果から読み取るのは、巨大なファンダム、グローバルな商業的成功、そして業界からの評価という三要素を兼ね備えたグループがシーンを支配するという、現代K-POPの成功法則です。
賞のカテゴリー | 受賞者 |
K-World Dream ベストアーティスト賞 (男性グループ) | Stray Kids |
K-World Dream ベストアーティスト賞 (女性グループ) | IVE |
K-World Dream 本賞 | Stray Kids, IVE, LE SSERAFIM, TOMORROW X TOGETHER, NCT WISH, ILLIT, tripleS, Xdinary Heroes, QWER |
K-World Dream スーパールーキー賞 | AHOF, KickFlip, Hearts2Hearts, KiiiKiii |

まとめ
K-World Dream Awardsは、その名称を変えながらも、一貫してK-POPシーンの「今」を映し出してきました。歴代の受賞者の顔ぶれを辿ることで、EXOやTWICEがシーンを牽引した時代から、BTSが世界を席巻した時代、そしてStray KidsやIVEといった第4世代が新たな王者として君臨する現在までの、ダイナミックなトレンドの変遷をはっきりと見ることができます。
この授賞式は、単にアーティストの功績を称えるだけでなく、ファン投票や新しい技術を取り入れた賞を設けることで、K-POPという文化そのものの進化を記録し続けています。これからもKWDAは、K-POPの未来を占う上で見逃せない重要なイベントであり続けるでしょう。