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第31回ハントミュージックアワード【2023】受賞者・出演者・セトリ・事件を徹底解説!

サラ・チェ (Sara Choi)
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2023年のK-POPシーンを総括するビッグイベント、「第31回ハントミュージックアワード」が開催されました。世界中のファンが注目したこの授賞式は、栄光に輝いたアーティストたちの素晴らしいステージだけでなく、前代未聞の出来事でも話題をさらいました。私がこの授賞式で感じたのは、K-POPの熱狂と、それが故に生まれる光と影です。

この記事では、第31回ハントミュージックアワードの受賞者リストから、2日間にわたる豪華なパフォーマンスのセットリスト、そして授賞式の裏で起きていた衝撃的な事件まで、全ての情報を徹底的に解説します。この記事を読めば、ハントミュージックアワード2023のすべてが分かります。

第31回 ハントミュージックアワード2023の概要

ハントミュージックアワード(HMA)は、K-POP界で非常に重要な位置を占める授賞式です。その権威は、世界で唯一のリアルタイム音楽チャートである「ハントチャート」のデータに基づいていることに由来します。

開催情報とイベントの背景

第31回ハントミュージックアワード2023は、2024年2月17日と18日の2日間にわたり、ソウルの東大門デザインプラザ(DDP)で開催されました。司会は東方神起のチャンミンが務め、イベントの模様はSBS Mで生中継されました。

この授賞式の評価対象期間は、2023年1月1日から12月31日までです。そのため、開催は2024年ですが「2023」の名がついています。主催者であるハントグローバルは、アルバム販売数や音源ストリーミングといった客観的なデータを用いて、その年の最高のアーティストを称えることを目的としています。

K-POPにおけるHMAの重要性

ハントミュージックアワードが他の授賞式と一線を画すのは、ハントチャートの膨大なデータに裏打ちされた客観性にあります。物理的なアルバムとデジタル音源の両方の販売実績が直接的に反映されるため、ファンの熱量が結果に結びつきやすいのが特徴です。

パンデミックを経て、HMAはオンライン形式からオフラインでの開催へと回帰しました。これは、アーティストとファンが直接交流できるライブイベントの価値を再確認する動きです。主催者は「K-POPの中心地」であるソウルでの開催にこだわり、チケット販売目的で海外公演を行う他のアワードとの差別化を図っています。この姿勢が、国内外のファンから高い信頼を得る理由の一つです。

栄光の大賞(デサン)に輝いたアーティスト

授賞式の華である「大賞」。韓国語では「デサン」と呼ばれ、アーティストにとって最高の栄誉です。第31回では4つの部門で大賞が授与され、2023年のK-POPシーンを象徴する顔ぶれが揃いました。

4つの大賞受賞者一覧

最高峰の栄誉である大賞は、以下の4組が受賞しました。

部門受賞者受賞作品
ベストアーティストNCT Dream
ベストアルバムSeventeenFML
ベストソングIVEI AM
ベストパフォーマンスStray Kids

NCT Dream、Seventeen、IVE、Stray Kidsというトップグループに大賞が分散した事実は、現在のK-POPシーンがいかにハイレベルで競争が激しいかを示しています。特定のアーティストが独占するのではなく、多様な才能がそれぞれ最高レベルの評価を受けた年でした。

受賞結果を巡る議論

輝かしい受賞の裏で、いくつかの議論が巻き起こったのも事実です。特に、NCT Dreamの「ベストアーティスト」大賞受賞については、一部のファンの間で疑問の声が上がりました。彼らの2023年の実績が、他の候補アーティストと比較して大賞にふさわしいのかという点が論争の的となったのです。

私がこの状況から感じ取ったのは、ファンの熱い想いと授賞式が提示する結果との間に、時として埋めがたい溝が生まれるという現実です。加えて、大賞を受賞したSeventeenやIVE、Stray Kids、さらに圧倒的な人気を誇るNewJeansといった主要アーティストが授賞式を欠席したことも、会場の雰囲気に影を落としました。スター不在の授賞式は、どこか寂しさを感じさせるものでした。

2023年を彩ったアーティスト・オブ・ザ・イヤー(本賞)

大賞に次ぐ栄誉である「アーティスト・オブ・ザ・イヤー(本賞)」は、年間を通じて目覚ましい活躍を見せたアーティストたちに贈られます。2023年を代表する顔ぶれが勢揃いしました。

16組の豪華な受賞者たち

今年のアーティスト・オブ・ザ・イヤー(本賞)は、以下の16組が受賞しました。

受賞アーティスト/グループ
aespa
ATEEZ
ENHYPEN
(G)I-DLE
IVE
Jimin (BTS)
Jungkook (BTS)
LE SSERAFIM
NCT 127
NCT Dream
NewJeans
Seventeen
Stray Kids
Tomorrow X Together (TXT)
V (BTS)
ZEROBASEONE

16組という受賞者数の多さは、より多くの人気アーティストを称えようとする主催者側の意図が感じられます。しかし、一部では「賞の価値が薄まってしまうのではないか」という批判的な意見も見られました。

本賞受賞から見えるK-POPトレンド

受賞者のラインナップは、2023年のK-POPトレンドを明確に反映しています。

BTSメンバーのソロでの活躍

特筆すべきは、BTSのメンバーであるJimin、Jungkook、Vの3人が、それぞれソロアーティストとして本賞を受賞したことです。グループが活動休止期間にある中でも、彼らの個々の影響力と音楽的成功がいかに絶大であるかを証明しました。

NewJeansの受賞と基準の違い

2023年の主要な授賞式で大賞を総なめにしたNewJeansが、HMAでは本賞のみの受賞となったことは多くのファンを驚かせました。これは、ハントミュージックアワードが物理アルバムの売上を重視する独自の基準を持つためです。授賞式ごとに評価基準が異なることが、このような意外な結果を生み出す要因となりました。

豪華出演者によるパフォーマンスとセットリスト

ハントミュージックアワードの醍醐味は、なんといっても豪華アーティストによるライブパフォーマンスです。2日間にわたって繰り広げられた圧巻のステージを、セットリストと共に振り返ります。

Day 1|2024年2月17日のステージ

初日は、実力派アーティストたちが多彩なステージを披露しました。特に、自身のヒット曲に加えて往年の名曲カバーを披露するアーティストが多く、会場を大いに盛り上げました。

順序アーティスト披露曲 (原曲アーティスト)
1Libelante“We Are the Future” (H.O.T.)他
2Just B“Medusa”, “Sorry, Sorry” (Super Junior)
3Vanner“Jackpot”
4Billlie“Dang! (hocus pocus)”, “The Boys” (Girls’ Generation)
5Jeong Dong-won“If”
6Viviz“Come On Baby Tonight” (Lee Ye-rin)他
7Kep1er (Chaehyun, Yeseo)“Loveable” (Kim Jong-kook)
8Kim Jae-hwan“I Love You”, “Ponytail”
9Tempest“Vroom Vroom”, “Dive”, “Dynamite” (BTS)
10Plave“The 6th Summer”
11Lucy“Boogie Man”
12Daybreak and Lucy“Oh-eh”
13Kep1er“Galileo”, “Love on Lock”
14DJ Vandal RockK-POPヒット曲リミックス
15Lee Chan-won“Wish Lanterns”, “Jintobaegi”

Day 2|2024年2月18日のステージ

2日目は、大賞受賞グループを含むトップアーティストが多数出演しました。しかし、後述する数々の事件の影響もあってか、パフォーマンスに関する公式な記録が断片的にしか残っていないのが現状です。

  • ATEEZ| “Crazy Form”, “BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)”
  • ZEROBASEONE| “In Bloom”, “CRUSH”
  • aespa| “Trick or Trick”, “Drama”
  • NCT DREAM
  • tripleS| “Rising”, “Call me baby” (EXO cover)
  • Kiss of Life| “Nobody Knows”, “Shhh”
  • Parc Jae-jung| “Let’s Say Goodbye”

新たな潮流|バーチャルアーティストの登場

今回のHMAで私が特に注目したのは、バーチャルK-POPグループ「Plave」の登場です。彼らはDay 1でパフォーマンスを披露し、「特別賞(バーチャルアーティスト)」を受賞しました。

この出来事は、バーチャルアイドルという新しいエンターテイメントが、K-POPのメインストリームで公式に認められたことを示す象徴的な瞬間です。テクノロジーと音楽の融合が、K-POPの未来をさらに面白くしていくことは間違いありません。

授賞式の裏で起きた衝撃の事件

第31回ハントミュージックアワードは、輝かしいステージとは裏腹に、数々の衝撃的な事件によって記憶されることになりました。特に2日目に発生した問題は、イベント運営のあり方に大きな課題を突きつけました。

前代未聞の衛生問題|通称「排泄事件」

最も衝撃的だったのは、スタンディングの観客エリアで起こったとされる衛生問題です。ある観客がその場で排泄したとの報告がSNSで広がり、会場は騒然となりました。

悪臭が広がり、一部のアーティストが鼻を押さえるような仕草を見せたことが報道され、事態はさらに深刻化しました。警備員は問題を確認したものの、ショーを続行するためにすぐには清掃しなかったと伝えられています。この前代未聞の出来事は、授賞式の評判を著しく傷つけました。

危険な状況を招いた観客整理と安全性の問題

スタンディングエリアでの観客整理の不備は、極めて危険な状況を生み出しました。ファンがステージ前に殺到し、将棋倒し寸前の状態になったのです。

多くのファンが押し合いへし合いの中で呼吸困難を訴え、失神者も出たと報告されています。この状況を見かねたATEEZやZEROBASEONEのメンバーが、パフォーマンスを中断してファンに下がるよう呼びかけ、水を提供する場面もありました。私がこの光景から強く感じたのは、アーティストのファンを想う真摯な気持ちと、それとは対照的な運営側の安全管理に対する意識の欠如です。

ファンダム間の衝突と論争の余波

会場の混乱は、ファン同士の衝突にも発展しました。ZEROBASEONEのパフォーマンス中、メンバーのキム・ジウンに対して一部の観客が脱退を要求する叫び声を上げ、彼のファンと口論から物理的な喧嘩にまで至ったのです。

この背景には、授賞式の直前に浮上した彼の暴言疑惑騒動がありました。事務所は疑惑を否定したものの、ファンダム内の対立がイベント会場で表面化する最悪の形となりました。受賞結果に対する不満も相まって、会場には終始不穏な空気が漂っていました。

まとめ

第31回ハントミュージックアワードは、2023年のK-POPシーンを祝う華やかな祭典であると同時に、多くの課題を浮き彫りにしたイベントでした。NCT Dream、Seventeen、IVE、Stray Kidsといったアーティストたちが栄光を手にする一方で、その裏では観客の安全を脅かす深刻な運営不備や、ファンダムの熱狂が暴走する悲しい出来事が起きていたのです。

私が今回の授賞式全体を通して痛感したのは、K-POPという文化が持つ凄まじいエネルギーの光と影です。この熱狂は素晴らしい音楽とパフォーマンスを生み出す原動力ですが、一歩間違えれば危険な状況やファン同士の対立を引き起こす引き金にもなります。

この授賞式が単なる「混沌としたイベント」として記憶されるのではなく、今後の大規模K-POPイベントにおける安全対策や運営体制を見直すための重要な教訓となることを強く願います。

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