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『KiiiKiii』歴代全アルバムまとめ!デビューから最新カムバまでの軌跡を徹底解説

サラ・チェ (Sara Choi)
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2025年初頭、K-POPシーンはKiiiKiii(キキ)の登場によって新たな局面を迎えました。彼女たちのデビューは、従来の定石を覆す異例の戦略で、第5世代K-POPのルールを書き換える野心的な宣言となりました。

私が注目したのは、デビュー前からデジタルネイティブ世代の感性に深く根差した、計算された世界観の構築です。この記事では、プロフィール情報を除外し、KiiiKiiiの音楽作品、つまり歴代のアルバムとカムバックの軌跡に焦点を当て、そのディスコグラフィーを徹底的に解説します。

KiiiKiiiの世界観とプレデビュー戦略

KiiiKiiiの音楽を理解する上で、彼女たちの核となるコンセプトの把握は不可欠です。それは音楽リリースと密接に連動しています。

コンセプトの核心|サブカルチャーと商業戦略の融合

KiiiKiiiの音楽とコンセプトは、巧妙に構築されたパラドックスを体現しています。それは、反体制的とも言えるサブカルチャーの美学と、業界最高峰の商業戦略およびトップクラスのプロダクションの見事な融合です。グループ名は、韓国語の笑い声「키키 (kiki)」と英語の「鍵 (key)」をかけたもので、人生の答えを「楽しさとポジティブなエネルギー」で見つけ出すという使命を音楽を通じて表現しています。

プレデビューシングル|世界観への序章

彼女たちはデビューEPに先立ち、2曲のシングルを先行リリースしました。これらは『UNCUT GEM』の世界観への入り口となりました。

“I DO ME” (2025年2月16日)

EPからの最初の先行シングルであり、KiiiKiiiの世界観を提示した楽曲です。夢見心地なシンセが主導するポップダンスナンバーであり、「自主性と大胆な自己表現」というグループの核となるメッセージを掲げています。

“DEBUT SONG” (2025年2月23日)

アルバムの幕開けを飾るこの曲は、自らのデビューを祝うというメタ的な楽曲です。批評家からは「『ハッピーバースデー』を揚げ物にしたようなラウンジ・リミックス」と評され、トラップのビートに乗せてデビューを自画自賛するという、大胆不敵な自己紹介ソングとなっています。

1st EP『UNCUT GEM』|原石の衝撃的な輝き (2025年3月24日)

2025年3月24日にリリースされたデビューEP『UNCUT GEM』は、第5世代K-POPシーンに対する彼女たちの野心的なマニフェストです。私が感じるのは、この作品が音楽、コンセプト、ビジュアルすべてにおいて緻密に連動している点です。

コンセプトとサウンド|計算された「Weird-Core」という美学

このEPの核心は「Weird-Core(奇妙さの核)」とでも言うべき独特の美学です。K-POPの洗練された規範に対し、意図的に磨かれていない「原石」のような質感を特徴としています。これは、ライアン・S・ジュンをはじめとする世界的なプロデューサー陣が参加していながらも、計算された芸術的選択です。

全収録曲徹底レビュー

プレデビューシングル2曲を含む全6曲が、この実験的な音の旅を構成します。

“GROUNDWORK”|意図的なローファイサウンド

アラームのようなビートが特徴的なヒップホップトラックです。「iPhoneのスピーカーを通して圧縮されたような」意図的なローファイサウンドが、彼女たちの美学を象徴しています。

“THERE THEY GO”|メタ的な物語の強化

「ばらばらの音の要素」が特徴的な、もう一つの実験的なヒップホップトラックです。歌詞の中で「KiiiKiiiはとてもエキサイティング、ほら、彼女たちが行くよ」と自らを三人称で語ることで、アルバムのメタ的な物語をさらに強化しています。

“BTG” (Been That Girl)|トレンドを掴むタイトルトラック

EPのタイトルトラックであり、「最も輝かしい曲」と評されます。軽快なジャージークラブのビートとダークなトラップのヴァースが交錯する、ダイナミックでトレンドを意識したサウンドが特徴です。

“한 개뿐인 (ONE OFF)”|感情的な核となる終曲

EPを締めくくるこの曲は、リラックスした雰囲気の中で、メンバーたちのデビュー前の道のりや「練習生生活のプレッシャーと美しさ」を振り返る内省的な楽曲です。アルバムに感情的な核を与え、リスナーに共感を呼び起こします。

1st シングル『DANCING ALONE』|サウンドの戦略的拡張 (2025年8月6日)

『UNCUT GEM』で強烈な印象を刻んだKiiiKiiiは、その後のカムバックで迅速に音楽的な多角化を示しました。これは、コアなアイデンティティを維持しつつ、より広いリスナー層へアピールする戦略です。

“DANCING ALONE”|メロディックなサウンドへの転換

2025年8月にリリースされたデジタルシングル「DANCING ALONE」は、サウンド面で大きな変化を示しました。80年代にインスパイアされたシンセポップやシティポップの要素を取り入れ、メロディックでノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。これは、まず芸術的な評価を確立し、次にメインストリームでの成功を狙う戦略的な一手です。

Bサイド “Strawberry Cheesegame”|2000年代ポップの再解釈

Bサイドの「Strawberry Cheesegame」(韓国語タイトル|딸기게임)は、2000年代初頭にインスパイアされたダンスポップサウンドが特徴です。「嫉妬と好奇心が絡み合った」友人関係を描写する複雑な歌詞が、単なるポップソングに留まらない深みを与えています。

リミックスEP『DANCING ALONE (PARKMOONCHI Mix).zip』|音楽価値の多角化 (2025年8月20日)

KiiiKiiiはシングルリリースの直後、さらに巧みな一手を見せました。それがリミックスEPの発表です。

4つの時代を再解釈したリミックス群

2025年8月20日にリリースされたこのEPは、彼女たちの巧みなマーケティング戦略を象徴する作品です。このEPには、「DANCING ALONE」を’90年代、’00年代、’10年代、そして’20年代のスタイルで再解釈した4つのリミックスが収録されています。

リミックス戦略の狙い

これは極めてクレバーな試みです。第一に、一つのヒットシングルの寿命を効果的に延ばすことができます。第二に、異なる年代のサウンドを再構築することで、グループの音楽的な多様性と適応能力をアピールできます。第三に、様々な世代のリスナーが持つノスタルジアに訴えかけることで、ファン層をさらに拡大します。

KiiiKiii 全ディスコグラフィー一覧(2025年9月現在)

これまでのKiiiKiiiのリリース作品を時系列でまとめます。

リリース名形式リリース日トラックリスト
I DO MEシングル2025年2月16日1. I DO ME
DEBUT SONGシングル2025年2月23日1. DEBUT SONG
UNCUT GEMEP2025年3月24日1. DEBUT SONG 2. GROUNDWORK 3. I DO ME 4. THERE THEY GO 5. BTG 6. 한 개뿐인 (ONE OFF)
DANCING ALONEシングル2025年8月6日1. DANCING ALONE 2. 딸기게임 (Strawberry Cheesegame)
DANCING ALONE (PARKMOONCHI Mix).zipEP2025年8月20日1. DANCING ALONE (’90s Ver.) 2. DANCING ALONE (’00s Ver.) 3. DANCING ALONE (’10s Ver.) 4. DANCING ALONE (’20s Ver.)

まとめ

KiiiKiiiのディスコグラフィーは、単なる楽曲の連続ではありません。それは、挑戦的な芸術的コンセプトと、ハイレベルなプロダクション、そして多角的な音楽アプローチを融合させた、緻密に実行された戦略の結晶です。

デビューEP『UNCUT GEM』で唯一無二のアイデンティティを確立し、続く『DANCING ALONE』で音楽的な幅を広げた彼女たちの軌跡は、長期的なビジョンに基づいています。KiiiKiiiは、第5世代K-POPの音楽シーンの境界線を再定義する恐るべき新勢力であり、今後のカムバックから目が離せません。

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