MAMA2025は11/28-29に開催!

【MAMA2025】Mnet Asian Music Awardsの受賞者

サラ・チェ (Sara Choi)
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2025年のMAMA Awardsは、K-POPの歴史において極めて特殊な一日として記憶されることになります。

Mnet開局30周年という記念すべき節目でありながら、開催地香港での痛ましい火災事故という悲劇的な背景の中で幕を開けました。しかし、そのような重苦しい状況下だからこそ、アーティストたちは「音楽の力」を証明するかのような気迫のこもったステージを見せてくれたといえます。

本記事では、香港・啓徳体育園で開催された「2025 MAMA Awards」の全貌を徹底的に解説します。G-Dragonの「Artist of the Year」受賞の裏側から、RoséとBruno Marsによる世界的ヒットの勝利、そしてアニメキャラクターが受賞するという衝撃の展開まで、現地の熱気と産業の変化を余すところなくお伝えします。

MAMA2025の開催背景と基本情報

今回のMAMAは、単なる音楽授賞式という枠を超え、開催地の社会情勢と深くリンクしたイベントとなりました。私が注目したのは、主催者とアーティストがいかにして「祝祭」と「哀悼」のバランスを取ったかという点です。

会場と現地の状況|追悼の意を込めた式典

開催地は香港に新設された啓徳体育園(Kai Tak Stadium)で、約5万人を収容する巨大スタジアムです。7年ぶりの香港開催ということで当初は華やかなムードが予想されていました。しかし開催直前に大埔地区で発生した高層住宅火災により100名以上が犠牲になる惨事が起き、状況は一変しました。

これを受け、主催者はレッドカーペットイベントを全面的に中止するという異例の決断を下しました。華美な演出を控え、犠牲者への配慮を最優先したこの判断は、現地の感情を考えれば当然の措置といえます。会場全体が厳粛な空気に包まれる中、エンターテインメントが社会に対してどうあるべきかが問われる時間となりました。

司会者とプレゼンター

式典の進行役やプレゼンターの顔ぶれも、今回の特殊な状況を反映したものとなりました。彼らの振る舞いが、会場の雰囲気を決定づける重要な要素となっていたのは間違いありません。

司会者|MC

今年のホスト役は、例年のようなお祭り騒ぎを煽るスタイルではなく、落ち着いたトーンで進行を務めました。彼らは冒頭で哀悼の意を表し、観客と一体となって犠牲者を偲ぶ時間を設けました。私が印象に残ったのは、彼らが言葉を選びながら丁寧に進行する姿で、それが会場の緊張感を和らげる役割を果たしていました。

プレゼンター|香港レジェンドの登場

特筆すべきは、香港が生んだ伝説的俳優チョウ・ユンファ(Chow Yun-fat)がプレゼンターとして登壇したことです。彼はステージ上で観客と共に黙祷を捧げ、地元香港の人々の心に寄り添いました。外部のイベントであるMAMAと現地の心情をつなぐ「架け橋」として、彼以上の適任はいなかったと断言できます。

MAMA2025の出演アーティスト・セトリ

今回のパフォーマンスは、派手な演出よりもメッセージ性を重視したものが目立ちました。ここでは日程ごとのハイライトと、会場の空気を変えた重要なステージについて解説します。

Day1|11/28

初日は「Fans’ Choice」部門の表彰が中心となり、ファンダムの熱量が試される一日でした。ENHYPENやIVEといった若手実力派グループが登場し、会場を熱狂の渦に巻き込みました。

特にENHYPENのステージは、彼らがなぜ世界中で熱狂的な支持を集めているのかを証明する圧巻のパフォーマンスでした。

  • SUPER JUNIOR
  • (G)I-DLE
  • IVE
  • ENHYPEN
  • TREASURE
  • BOYNEXTDOOR
  • TWS
  • NCT WISH
  • BABYMONSTER
  • MEOVV
  • MIRROR (香港のボーイズグループ)
  • YEONJUN (TOMORROW X TOGETHER) ※ソロステージ追加
  • ALPHA DRIVE ONE
  • BUMSUP (ダンスクルー)
  • Hearts2Hearts

Day2|11/29

2日目は主要4部門(大賞)の発表があり、まさに現在のK-POP界の頂上決戦となりました。G-Dragonの登場はこの日のハイライトであり、彼の存在感だけで会場の空気が一変しました。

一方で、一部のコラボレーションステージが中止になるなどの変更もありましたが、各アーティストがそれを補うほどの熱量でパフォーマンスを披露しました。

  • G-DRAGON (BIGBANG)
  • Stray Kids
  • TOMORROW X TOGETHER
  • aespa
  • ZEROBASEONE
  • RIIZE
  • JO1
  • izna
  • IDID
  • KYOKA (ダンサー)
  • ALLDAY PROJECT
  • CORTIS
  • KickFlip

MAMA2025の大賞受賞者

今年の大賞4部門の結果は、K-POPが「一強時代」から「多極化時代」へと完全に移行したことを示しています。それぞれの賞が異なる価値観を象徴しており、非常に興味深い結果となりました。

Artist of the Year|G-Dragon

「今年の歌手賞」に輝いたのは、BIGBANGのG-Dragonです。これは単なる人気投票ではなく、長年にわたりK-POPを牽引してきた「レガシー」への敬意と、今なお衰えない彼の影響力が評価された結果です。彼はスピーチで「悲しみの中で受け取る賞」と語り、香港の悲劇に触れながら寄付を行うなど、トップアーティストとしての品格を見せつけました。

しかし、私が客観的に見て触れなければならないのは、彼のパフォーマンスに対する一部の厳しい声です。全盛期に比べたボーカルの安定感やAR(被せ音源)への依存について議論が巻き起こりました。それでも彼が大賞を手にした事実は、MAMAが技術的な完成度以上に「カリスマ性」や「スター性」を重視したことを意味します。

Song of the Year|Rosé & Bruno Mars

「今年の歌賞」は、RoséとBruno Marsのコラボ曲「APT.」が獲得しました。この結果に異論を挟む余地は全くありません。韓国のローカルな飲み会ゲームを題材にしながら、世界的なポップスターであるBruno Marsと組むことで、国境を超えた大ヒットを記録しました。

私が分析するに、この受賞はK-POPの「脱・K-POP化」を象徴しています。K-POPというジャンルに縛られず、世界のメインストリームと完全に融合した楽曲こそが、最も評価される時代になったといえます。Rosé個人のブランド力が、グループ(BLACKPINK)の枠を超えて確立された決定的瞬間でした。

Album of the Year|Stray Kids

「今年のアルバム賞」を受賞したのはStray Kidsのアルバム「KARMA」です。これは、彼らの音楽制作能力とファンダムの購買力が、現在のボーイズグループの中で突出していることを証明しています。自分たちで作詞作曲を行う「自主制作アイドル」としての強みが、アルバムという作品単位での評価に繋がりました。

彼らの音楽は実験的で激しい要素を含んでいますが、それがコアなファン層に深く刺さっています。私が思うに、大衆性を狙った「Song of the Year」とは対照的に、この賞はファンの熱量と結束力を示す指標となっています。JYPエンターテインメントの底力を改めて見せつけられました。

Fans’ Choice of the Year|ENHYPEN

新設されたこの大賞は、100%ファン投票で決まる「ファンダムの王冠」です。ENHYPENの受賞は、彼らが現在、世界で最も組織力のあるファンベースを持っていることの証明です。オーディション番組から続く成長の物語が、ファンとの強い絆を生み出しています。

私はこの賞の新設を、K-POPビジネスの核心を突いたものだと評価しています。大衆的な認知度だけでなく、どれだけ熱狂的なファンを抱えているかが、アーティストの価値を測る重要な物差しになっているからです。ENHYPENはその象徴的な存在として歴史に名を刻みました。

カテゴリー別受賞結果まとめ

大賞以外の部門でも、興味深い傾向が見られました。表を使って整理すると、現在の勢力図がより明確になります。

部門受賞者解説
Best Male GroupSEVENTEENパフォーマンスの実力と人気を兼ね備えた王者の貫禄を見せました。
Best Female Groupaespa「Whiplash」での洗練されたダンスと世界観が評価されました。
Best New Artist (Male)CORTISHYBEの新人。メンバー全員が楽曲制作に関わる「自作ドル」の系譜です。
Best New Artist (Female)Hearts2HeartsSMの新人。8人組という大型構成で、正統派アイドルの復権を予感させます。
Music VisionaryKPop Demon HuntersNetflixのアニメ作品が受賞。バーチャルと現実の境界が消えた衝撃的な事例です。

特筆すべきは、「Music Visionary of the Year」をアニメ作品『KPop Demon Hunters』が受賞した点です。

劇中のグループが現実にチャートインし、賞まで獲得するという現象は、K-POPが「IPビジネス」へと進化していることを示唆しています。

MAMA2025のアーカイブ視聴方法

現地に行けなかった方や、もう一度あの感動を味わいたい方のために、視聴方法を案内します。

TELASA

日本では動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」がアーカイブ配信を行っています。

授賞式の様子はもちろん、レッドカーペットが中止になった分の舞台裏映像なども含まれる場合があるため、チェックすることをおすすめします。スマートフォンやPCから手軽にアクセスでき、日本語字幕付きで楽しめるのが最大の魅力です。

まとめ

2025年のMAMA Awardsは、香港での悲劇という困難な状況の中で開催されましたが、結果としてK-POP産業の底力と成熟度を示すイベントとなりました。G-Dragonの帰還はレガシーの重要性を、Roséのヒットはグローバル化の到達点を、そしてアニメキャラクターの受賞は新たな未来の可能性を私たちに提示しました。

私が確信するのは、K-POPはもはや単なる音楽ジャンルではなく、現実とバーチャル、アーティストとファン、そして社会とエンタメをつなぐ巨大なプラットフォームに進化したということです。来年のMAMAがどのような進化を見せるのか、今から楽しみでなりません。

TELASAでのアーカイブ配信をチェックして、歴史的な一夜を目撃してください。

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